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浜本隆司ブログ オーロラ・ドライブ

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浜本隆司のブログ

高橋由一(西洋画の父)

ちょんまげの人の自画像。
しかも油絵による。

ちょっと滑稽です。
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髷は小さく、顔の陰影が強調され、
本来そんなに凹凸のない顔の平面性が崩れています。
ロウソクの光の元で鏡を見て描いているはずですが、
正面を向いていません。

何よりもその品のない顔立ちの肖像画っていうのが
おかしいのかもしれません。

でも。この肖像は「日本油絵の父」と呼ばれている
高橋由一の自画像なのです。



日本絵画の星(近代編)01
高橋由一
(たかはしゆいち)1828-1894

高橋由一といえばこの絵で有名。
たぶん誰でも教科書等で見て知っているはずです。

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「鮭」

ああ、しゃけ!

この絵は近代絵画の夜明けを代表する作品として
記録されています。

もう一点有名なのがこの絵
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「花魁」 1872

花魁の油絵!
不思議な感じがしますね。

歌麿の美人画とかを思いだして下さい。
なんか、生活感がにじみ出ていて、うっとり出来ません。笑


高橋由一以前にも油絵を描いた絵師はいましたが、
高橋由一ほど生涯を油絵にかけた人はいませんでした。

しかも
明治維新後から大いに活躍した人ですから、
「西洋画の移入」という意識もとても強かったようです。
実際に西洋画の普及を自分の使命と感じていたようです。


高橋由一は江戸生まれの佐野藩(佐倉堀田藩の支藩)の
武士でした。
小さい頃から絵が上手かったそうですが、家業の剣術指南役が忙しかったそうで、
本格的に絵に取り組めたのは30歳を超えたあたりからです。

きっかけは
嘉永年間のある時、西洋の石版画に接して、
日本や中国の絵とは全く異なる迫真的な描写力に衝撃を受けたことでした。
それまで狩野派の先生に習ってはいたものの、
以後は西洋画(以後「洋画」)の研究を決意したようです。


1866年本格的にイギリス人のワーグマンに指事
翌年はパリ万国博覧会へ出展しています。


高橋は人物を静物も風景も描いています。
鮭等の静物画が一般にはよく知られています。
それは、その必要なまでに細部を描き込んだ、
リアリズムが世界の何処にもない独特の描写だからではないでしょうか。

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「豆腐」1877

豆腐がぷるんぷるんしてます。
しっかり焦げてもいます。
揚げもかりっとしてます。

綺麗とは言えません。

リアルな美でしょうか。


明治維新の頃の日本の生活文化を
写真以上に写し取っているのではないでしょうかね。
湿り気や匂いまで感じれます。
絵の凄さですね。


これらの静物画は香川県の金比羅宮に収められ、
私もハルカスの金比羅コレクションで実際に目にしました。


私の好みは風景画です。
かなり以前に愛知県美でみたこの絵の色彩は今でも
よく覚えているほど、新鮮でした。

夕ぐれの風、温度、湿度を感じました。

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「不忍池図」1880

空の明るい青緑と雲の薄オレンジ色。
しっかりと洋画(バルビゾン派的)の技法を獲得したうえでの絵心。

木々の葉っぱと雲の同調した動きもここちいいです。



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「愛宕山より品川を望む」


東京湾が光輝いています!




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「山形市街図」1881-82

一点透視図をつかった市街図。
左右の建物の高さにちょっと曖昧な感じがありますが、

人々の往来に生き生きとした街の空気がよく表現されています。

いいですね〜。


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「酢川にかかる常磐橋」1881-82

主題である常磐橋を中心に飽きさせない構図を作っています。



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「江ノ島図」



風景画の最後にこれを、


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「本牧海岸」


それまでの茶色の陰の暗い江戸の絵のイメージから開放されます。

ここにいたってはうっとりとするような
自然の長閑さ、美しさを表現出来て、
なんでもない風景が宝石のように輝いています。



「洋画の父」と呼ばれる高橋由一も
その後日本画に受け継がれる歴史画も油で描いています。



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「日本武尊」


何と野太い!!





洋画の父
THE FATHER OF WESTERN STYLE PAINTING

高橋由一

でした。













by hamaremix | 2018-02-18 08:50 | 日本絵画の星(近代編) | Comments(2)
Commented at 2018-02-27 20:26
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by hamaremix at 2018-03-01 20:25
評論家ではないので、画家の目で見ているだけです。
時間や評価が過大になると、変な絵も変とは言いにくいものですが、そうした歴史的評価に惑わされず、嫌いなものはキライ、変なものはヘン、いいと思うものは評価がなくともいいと言える感性を磨きたいものです。