ゆるりん
「金魚玉図」
円形のかたちのなかに金魚?が真正面から描かれてます。
ウーん、今の人はこんな風に描かないと思います。
それは顔の描き方でしょう。
目と口をかわいく描くと思います。
今は
金魚=色が綺麗=小さい=かわいいというすりこみもあるので、
正面の顔であっても、可愛くしてしまうでしょうね。
でも、金魚をリアルに見ればそんなに可愛い顔ではなく、
こんな感じに近いでしょうね。
この絵の面白さの一番のポイントは
金魚を真正面から描いたということです。
ちょっとないですよね〜。
これは金魚玉というガラスの器に水を張ってそこに金魚を入れ、
軒に吊るして、涼をとった当時のお楽しみグッズです。
絵師がそれを描いてみようと、
金魚玉のなかの金魚と目があったのでしょうね。笑
そのインパクトが脳裏に焼き付いて、
あとはもうどんな構図を考えても、
そのイメージには勝てなかったのだと思います。笑
「金魚玉図」神坂雪佳
「かわいい淋派」三戸信恵 著
この本で知りました。
絵師は神坂雪佳(かみさかせっか)という人で、幕末〜明治期に活躍された人です。
淋派を意識していた人ですが、
なぜかとってもゆるい絵を描いていたようです。
ゆるい淋派→「ゆるりん」と言っておきましょう。笑
かたつむりの見る小犬、、、、
「狗犬(くじ)」神坂雪佳
まったりです。
このゆる〜い画集をみて。久しぶりに楽な気持ちになれました。
◆神坂雪佳(かみさかせっか1866-1942)
京都生まれの琳派の継承&近代デザインの先駆者。本名:吉隆(よしたか)
四条派の鈴木瑞彦に師事するが、のちに岸光景に入門する。光悦光琳派の画家であり、絵画や図案制作で受賞を重ね実績を積む。
36歳でグラスゴー万国博覧会視察のために渡欧し、欧州各国の工芸図案を調査する。
帰国後、佳美会を設立し京都の工芸家と図案研究を始める。また光悦会発足の発起人となり琳派・光悦の功績の顕彰活動に力を尽くした。