ルーシー・リー
ルーシー・リーの焼き物。
かねてよりずっと見たいと思っていたルーシー・リーの陶芸。
姫路市立美術館で展覧会が開かれていたので、
今回こそはという気持ちで見に行ってきました。
美術館は姫路城(白鷺城)の東部にあるので、
新しくなった姫路城も見ることが出来た。
快晴の日に白鷺城は眩しいぐらいに輝いていました。
「しろ過ぎ城」とやゆされるのも分る感じでした。
姫路市立美術館
ルーシー・リー、名前からして素敵な響きがあります。
もう20年も前に亡くなってしまっていますが、
今、日本でこれほど人気のある陶芸家は他に居ないような、、、
気がするのは私だけ、、?
ルーシー・リー
(Dame Lucie Rie、1902年3月16日 - 1995年4月1日)は、
20世紀後期のイギリスを拠点に活動した、
オーストリアはウィーン出身の陶芸家。
大英帝国二等勲爵士 (DBE)。
美術館では生前の80歳位の時の、
工房で精力的に創作をする
ルーシーを写した映像が見れましたが、
小柄な愛らしいおばあちゃんという風でした。
この写真はもっと若い時でしょう。
美術館では、
生涯を通しての作品を見ることができました。
若い頃はイギリスの陶芸界を牛耳るバーナード・リーチに気に入られようとして、
無骨な感じもする後年のルーシーとはちょっと違う作品もありましたが、
細部にみられる繊細さはルーシーのその後の個性の
萌芽が見られます。
ルーシーといえば何といってもこのピンク色の焼き物ですね。
このピンクの作品数点がまとめられてありましたが、
もう、見たことの無い麗しさ、そして甘さと清楚なたたずまい。
息を殺して見ていました。
素晴らしい、完璧な色彩と形です。
ピンクだけでは甘過ぎますが、
口回りの濃い茶、内側底近くにピンクを引き立てるエメラルドグリーン、
さらにこうだいの茶色。
絵画的といっていい色彩感覚です。
しかも、女性にしか出せない、たぶん、センス。
これを数点見れただけでも大満足でした。
この作品、しかもルーシーの70を越えてからのものだと知って、
芸術家の精神は老いることがなく、
より若々しくなれるのだと、信じることができました。
あと、黄色、青などの原色に近い色のものが、
とっても現代的な鮮やかさで、良かったです。
こうした色は釉薬の調合の研究と窯焼の経験からしか生まれないので、
ルーシーにしかさせない色彩で、
世界に唯一の器なのです。
でも、こんな綺麗すぎる器、
手元にあったとしても使えないかも、、、ですが、、、、
ルーシー・リー(Dame Lucie Rie、1902年3月16日 - 1995年4月1日)
ルーシーはイギリスに渡ってからは無名でしたが、イギリスで活動するにはと
イギリスを代表する陶芸家であったバーナード・リーチと親交を持ったが、
電気式陶芸窯から生み出されるその軽く薄い作風に対しては、
強い火と土窯から生まれる日本風の重厚なものに強く傾倒していたリーチから
手厳しい批評を得ることとなり、以後、芸術面に経済面も加えて大いに苦悩する。
当時を回想するに「キャベツの日々だった」、すなわち、キャベツばかりを食べる、
お金の無い日々であったという。しかし、独自の方向性を大きくは変えることなく
模索を続け、やがて、象嵌や掻き落しによる線描や釉薬、緻密な成分計量に基づく
理論的工法などによる独特の繊細かつ優美な作風を確立した。
リーチものちにこれを認め、推奨するまでになっている。