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浜本隆司ブログ オーロラ・ドライブ

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浜本隆司のブログ

小さなドラマ

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コラージュ57

「文楽は人間ドラマを正面から描きながら、
しかしそれを人形に演じさせることを選んだ。
太夫さんの語り、三味線さんの音、人形さんの体があって
はじめて、人形はあやつられ、生命を宿す。

江戸時代に人形浄瑠璃という芸能を作りあげた人々は、
「そこに人間のほんしつがある」
と看破したのかもしれないな、と私は思う。

いくら生身の体を持っているとはいえ、
人間も一人ではドラマを発生させられない。

常にだれかとのあいだで摩擦熱を生じさせ、
反発したり調和したりしながら生きている。
ときにはなにかにあやつられるように、
思いもよらなかった選択をすることもある。」

〜三浦しをん「あやつられ文楽鑑賞」あとがきより





現代の日本は「無縁社会」とか言われています。
皆、経済的には苦しくても、ほどほどに物質的に恵まれ
多くのコミュニケーションメディアによって繋がっていて、
現実の人間関係は薄く薄くなっているとか。

人と交わることによって生じる摩擦に
傷つかないようにしている、、
ように見えます。

特に若い世代の人達の横の関係は腫れ物にさわるようなもので、
繊細すぎるものを感じます。

また、精神的な病にある人も増えている。

無縁社会とはまた極端な形容ではあるけれど、
人と人の調和や摩擦が少ない社会に居るってことは、
ドラマが生まれない
生きてるという実感に乏しい生を生きることになるのですが、
それでいいのかなぁ?

良くないですよね。

そんな現実社会にあって、
この無縁社会を変えることは全然出来ないかもしれないけれど、
少なくとも自分自身の周りにおいては、
少しは変えることは出来るはずです。

それは今の生活のなかで
少しでも関わりのある人との関係を
自ら今より一歩でも前に出て、関わりを作ることではないかな?

誰かが自分に何かをしてくれることを待つのではなく、
自分が誰かに何かをする、
アメちゃんひとつをあげることでもいいんだと思います。


小さな行為が小さくてもドラマを生むきっかけになる、
と思います。

by hamaremix | 2014-10-23 23:47 | ライフ | Comments(0)

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