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浜本隆司ブログ オーロラ・ドライブ

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浜本隆司のブログ

火で焼かれて死んでいく

「銀二貫」を最初に次、
「みをつくし料理帳」1〜8巻ときて

今は「出世花」に手をつけ始めました。

この一ヶ月はまさに高田郁月間となりました。


火で焼かれて死んでいく_d0218056_10542617.jpg


これまた面白く読み進められてます。

主人公はいつもながら、孤児。
しかし、人情深い人達によって育てられ、
まっすぐに育っていく。

いや、登場人物はみんな、いい人ばかりで、
こころがまっすぐな人達ばかりです。

もちろん、性根の曲がった敵も沢山いますが、、

主人公たちのこころの動きを描写した文章を読んでいると
こっちのこころまで正されていくような気がして
読むことがある種の浄化になるような、

というか、昔の日本人はたぶんこうではなかったろうかと思われる
人情深い人の言動に触れ、こころの正しい持ち方、正しい行動を
学ばされるようです。


「出世花」は小説家デビューの作品だそうですが、
しっかり、その世界は確立されているようです。


舞台は江戸の青泉寺。
墓寺といって、死者を弔いを専門にするお寺ですが、
主人公はそこで死者の湯灌のお努めに従事することになっていきます。

みたいなことですが、
江戸時代のお葬式のこと等がよく描かれていて、
興味津々となります。

江戸寺時代では土葬と火葬があったらしいのですが、
青泉寺では火葬なんですが、

その火葬についての主人公の捉え方に共鳴しました。

「火で焼かれることで、未練の断ちどころが得られるようにも思います。」

というくだりです。




数年前、飼っていたミニチュア・ダックスフントの大吉が亡くなった時に

私は、大吉を六甲山の土の中に埋めてやるのが
自然に帰る命の正しいあり方ではないかと、
スコップと亡骸を鞄に入れてバイクで六甲まで行ったのです。

で、掘り返されないような此処というところを
見つけて穴をほり始めました。

そして、いよいよお別れをしようとした時に
「なんだか、何の縁もゆかりのないこんな場所に眠られることは
どうか、寂しがるんではないか」
という気持ちが湧いて来たのです。

それに、私がいつもあの山に大吉が眠ってると
思えるけれど、大吉には
「なんでこんな所」って思われる気がして、
六甲に埋めることをやめたのです。


そのあと家に連れて帰り、
ペット葬儀の方に来て頂いたのですが、

中型の箱形トラックの後ろを開けると、
小さな仏壇があり、その奥に火葬の装置があったのです。

そして
「お別れをして下さい」と言われ
人間が亡くなった時と同じとように合掌したあと、

そのトラックはしばらく火葬のために移動しました。

一時間程して戻って来た時には
まだ温かい骨になって大吉は戻ってきました。


お骨をひろい集め、骨壷に納め
また、合掌して
お葬式は終わりました。


その時に、おかしな言い方ですが、
亡骸がこの世に存在しないということに
哀しいけれど、焼かれて無くなったということに
少しすっきりした気分になれたのです。
というのも土葬で埋められていると、
やはりその身はこの世に残ってるとイメージされてしまうからです。
本当に亡くなってしまって、
この世から居なくなってしまったんだなぁと
実感できたからです。

また、お葬式もして
こころの区切りもそこでつけれたように思いました。


そのとき、日本人が火葬という方法で死者を送り出してきたことに
とても、納得がいった記憶が鮮明に残りました。

また、お葬式の意味合いも
改めて理解できたように思いました。


そんなことがあったので、

「火で焼かれることで、未練の断ちどころが得られるようにも思います。」

という箇所にとても理解できたのでした。


本はまだまだ前半、お縁はどんな運命を生きていくのでしょうかね?
by hamaremix | 2013-12-15 11:41 | 文学 | Comments(2)
Commented by コアラ at 2013-12-16 09:33 x
残月、速攻で読んでしまいました。
今は母親が読ませていただいています(母も大ファンなもので)。
今度お会いするときにお持ちしますね~
そして良かったら高田さんのその本2冊、貸していただけたらな~なんて思ってます(^^)
ちなみに尺八のCDは如何でしたか??
Commented by hamaremix at 2013-12-16 17:39
こあら、はは、家族で楽しんでるのね(☆∀☆)
銀二貫は人に貸してるので、出世花読み終わったら貸しますね。了解。
尺八CD,ありがとうね、でも、いまCD が聴けない状態なので、?あっパソコンで再生してみる!!その手があった!!

by hamaremix