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おくり 〜on the lake〜
人を助けるというのは大変なことだ。
本当の意味で人が人を助けることなんて本当にできるのであろうか。
という疑問。
ここで言ってる「助ける」とは、その人の生をまるごと支えるという意味での「助け」ですが、
「支援」「援助」という社会の機構でもってある程度の金銭的、環境的なもので幾分かのセーフテーネットのようなものは社会的に充実してきています。
ですが、一人の人間がその「老い」であったり「障害」であったり「病気」であったり「犯罪被害」であったりひとりでは生きていけないよう状況に陥ってしまった場合、彼を助けられるのは誰か?
それはもう家族や親族以外はほとんどの場合考えられないように思います。
しかし、しかし、それも、一人の人間が一人の人間をその生をまるごと「助ける」ことなど出来ないようにように思えます。
抽象的な言い方で何のことを言ってるか分かりにくですね。
数年前、老いた母が 病気で倒れ、介護が必要となったときがありました。
たまたま、週にかなりの空きの時間があった私が介護することにしたんですが、その時に「私ひとりが母の生をまるごと助ける(その時は介護)ことは不可能だ」と強く感じたことを頭においてこの文章を書いています。
虚無的に聞こえるかも知れませんが、そうではありません。「助ける気持ちがあって、かなりの部分で支えになれたとしても、老いや病理の進行に対してなどに象徴されるように、また、相手が望むような助けになっているかどうかなどを考えると無力を感じざるを得ないからです。」
人間はやはり、一人で生まれてきて、一人で死んでいくのです。そしてその生はやはり一人で壮絶な戦いを日々おこなってりるのです。
私たちは戦っている他者とお互い戦友のような気持ちでお互いを讃えあっていくしかありません。
しかししかし、時々は「寄り添う」ことはできるのです。
この世界で壮絶に戦って生きたひとつの「生」を誰かが使命として「おくる」
人が人にできる最後の「寄り添う」ことです。
この絵「おくり〜on the lake〜」について、言葉を紡いだらこうなりました。