ブログトップ

浜本隆司ブログ オーロラ・ドライブ

hammererix.exblog.jp

浜本隆司のブログ

鈴木春信

代表作です。

d0218056_15144740.jpg

「雪中相合傘」

路に枝葉に、傘に積もる雪。
白を基調にした配色で、背景のベージュ。さらにおんなが着る着物の薄いベージュ。
そして頭巾の白、
対比的な男の着る黒い着物、おんなの帯の黒。

アクセントに小豆色と落ちついた紅色。


寒い雪中であっても、あいあい傘の男とおんなのほのぼのとした気持ちが
この微妙な配色によって、温かく、しかも上品に
粋に表現されています。


作者は鈴木春信です。


日本絵画の星 30 鈴木春信((不詳)-1770/江戸中期)

それまでの錦絵といえば、2〜3色だった色彩を、
一気に7〜8色以上の多色摺(たしょくずり)に発展させて、
絶大に人気を誇った江戸中期の絵師が鈴木春信です。

d0218056_1528976.jpg

「秋の風」

多色摺といっても、色には必ず白が混ぜてあり、
今でいうパステルカラー、、、(違いましすね〜、)いわゆる今で言う和の色彩
で見事にまとめられています。


鈴木春信の絵は美人画が主だと思いますが、
遊女や役者絵でけでなく、
現存する茶屋の看板娘を描くなど
江戸に住むおんなの生活がさりげなく、面白く描かれてあり、
とっても興味深いです。

描かれるおんなたちは、
皆、華奢な体つきで、手などとっても小さく、
折れてしまうのではと心配になるくらいです。

後の喜多川歌麿のような
理想的なプロポーションを持った美人が出てきたり、
人物の顔をクローズアップしたような絵もありません。

人物は記号的というか、顔はみな同じ感じ。
ユニセックスな雰囲気で、男女の違いもよく分らないという
大きな特徴があります。


そんなことを頭に入れて、幾つかの絵を見て、
楽しんで下さい。

そうそう、鈴木春信の絵はとってもほのぼのと楽しいんですよ。



d0218056_15425141.jpg

「夕立」

雨風が線で表現されています。漫画的表現ですね。

振り袖の跳ね上がり、下駄も転がってしまってます。



d0218056_15453257.jpg

「梅の枝折り」

鼠色の土壁と瓦屋根の黒の直線的な幾何学的模様と
着物のオレンジ〜赤茶色の有機的な模様それに身体の曲線とが素晴らしい対比を生み出しています。

地面の黄土色と梅の色が同じところにも注目です。

画面を斜めに横切る、縞模様を意識しての構図と配色です。

これは素晴らしいです。



d0218056_15521197.png

「夜の梅」

夜の闇を大胆に黒だけにして、
灯りに照らし出されたのは梅のみ、
要らないものは捨て去る、究極のデフォルメです。


d0218056_1555737.jpg

「縁先美人図」

これは晩年の作ではないでしょうか。
背景の表現にとっても深まりを感じます。

宴の席から離れた瞬間の、
ふとふとおとずれた倦怠感でしょうか、
宴の席では明るく振る舞っていても、我に返った時に
自身のかかえる何かに寂しさを感じた、、、、、

というような、心の内が表現されていますね、この絵は。



d0218056_15595518.gif

「縁先物語」

縁先は鈴木春信の得意な設定場所。
ちょっとした秘め事が描かれていることが多いです。笑


それにしても、男とおんなの違いがわからな〜〜い。



鈴木春信が活躍した時期は1760~1770のほぼ10年です。
その10年という短期間に多くの作品をのこしました。
写楽が10ヶ月で150点以上の作品を描いたがそれを
上回る僅か5年の間に質の高い千百点以上の作品を残したと言われています。

1000点ですよ〜〜、、、

人気があって、今の漫画家のように描き続けたのでしょう、

当然のように過労によって45歳で春信は亡くなったということです。
また春信は相当な酒豪であり、死んだ原因も酒が原因の脳卒中であった
など、いろいろ言われています。




古歌の心や古い画題を現代風俗に見立てたりした絵も描いています。

これ「寒山拾得」です。

d0218056_16111685.png

「寒山拾得」

見立図の一つ。
「寒山・拾得」は中国の伝説の二人組。山で隠遁生活を送る奇怪な人たちで、
たいていは不敵な笑みを浮かべた怪奇的な風貌で描かれます。

しかしこの春信の絵ではなぜか若いカップルに変身。

バックのマーブリングは墨流しではなく、実際に版画で制作しているんだそうです。




d0218056_16133578.png

「見立琴高」

鯉に跨った琴高仙人。
雪村の絵などで有名な仙人です。

しかし、春信の手にかかるとなぜか仙人が女の子に。
鯉の背に乗る美人。
春信はこういった見立図(古典を美人画に変えて描く)もたくさん描いたようです。

グラビアですね。




この時代までに、他に見たこともない面白い絵もあります。

これです。

d0218056_1617798.jpg

「孟春」

二人が同じ夢を見ているんですね〜〜〜〜。

漫画の吹き出しに絵が描かれてるといった風です。
凄いですね〜、表現の自由をかなり獲得しています。




こんなのもありました。

d0218056_16245455.png

「清水の舞台から飛ぶ美人」


「清水の舞台から飛ぶ美人」って自殺じゃないですか〜。

しかし、傘をもって、自身ももって飛び降りてる様子です。


穏やかな画風の鈴木春信のなかでも
かなり意表をつく絵ですね。

絵師の想像力の飛躍を感じる一枚です。





さて、この時代のどの絵師も春画を描いていますが、

鈴木春信も凄い数の春画を描いています。

あらゆるシチュエーションで、という感じで、、、、、


軽い一作だけ紹介しときます。

d0218056_16313656.jpg





鈴木春信の絵を見る楽しさには、
江戸のファッション、風俗、おんなの生活、そんなものを
ノゾキ見るようなものがあります。


粋に楽しめますね〜〜〜。

d0218056_16324429.jpg



これもとっても面白いです。

書き直しの習字の文字部分だけが、混沌としています。笑


しかし、遠近法でないこの構図、、、

これも素晴らしいですね。

渦巻き状の構図ですよ。








by hamaremix | 2017-03-21 16:39 | 日本絵画の星 | Comments(0)