オーロラ・ワールド・ディクショナリー vol.4
こころのなかに大きな砂浜があるとしましょう。
生まれて今までこころのなかに記憶された言葉が
砂や石、また貝がらであったり、
研磨されたガラスの破片であったり、
漂流物などであったりして、
無数に近い言葉がひとつの砂浜を作っているとしよう。
そこを自らが歩き、
綺麗な輝きを放っている小石のような、
見事に形をのこした巻貝のような、
あるいは、魚の骨のような、
特別ないろやかたちをもってあるものを拾い集める。
無限数に近い砂浜のものもののなかから。
そんなような、
記憶に強く残り、私のこころのなかにある
今でも綺羅綺羅とした輝きや異質な光を放っている言葉たちを
集めたディクショナリー
[ア]
アイス黒糖ミルク珈琲 Ice Kokutou Milk Coffee
夏になるとこれが呑みたくなります。水滴がついたステンのマグカップに唇をつけた時の珈琲の香り、そして喉を通るときの黒糖の冷たい甘さ。最高のアイスコーヒーです。上島珈琲。
[ウ]
靭ギャラリー Utsubo Gallery
大阪の本町と肥後橋の間にあった昔の蔵をホワイト・キューブにした貸しギャラリー。信濃橋画廊とセットでまわることが普通だった。今や靭ギャラリーも信濃橋画廊も伝説となってしまいました。ギャラリーも作家とともに、、、
[エ]
エンペラー・トマト・ケチャップ Emparer Tomato Ketchp
「トマトケチャップの皇帝」ポスト・ロックのバンド、ステレオラヴの曲。彼らの音楽はとてもアートなセンスを感じるけれど、曲名も詩心をくすぐられます。
[オ]
おいしい水
ボサノバのスタンダードでアントニオ・カルロス・ジョビン作曲。アストラット・ジルベルト、フランク・シナトラ、小野リサらがカバー。夏には「おいしい水」です。
[カ]
影のトルソ Kage-No-Toruso
言葉のイメージだけが頭の中にあります。トルソとは人体彫刻での頭部や四肢がなく胴体部分だけが存在する彫刻のこと。
[コ]
コバルト・ティール Cobalt Teal
近年の私の絵画に欠かせないキー・カラー。
[シ]
紫電改のタカ Shidennkai No Taka
滝城太郎一飛曹の日本帝国海軍の青年パイロットが主人公の漫画。1960年代にはまだ第二次世界大戦のことが漫画によくなっていて零戦を筆頭に戦闘機や戦車のことを当時の子供たちはよく知っていました。ちばてつや作、少年マガジン連載。
下妻物語 Shimotuma-Story
ロリータに生きる深田恭子と暴走族ヤンキーの土屋アンナの友情に涙する。少女達のアイデンティティ。嶽本野ばら原作。
[ソ]
空の名前 Sora No Namae
空のカタログ。入道雲や鯖雲、羊雲、東雲といった日本語の空の名前と写真が綺麗なレイアウトで構成された一家に一冊の本/光琳出版社
[チ]
地下水脈
一見関係なさそうな立場にあっても、深いところで繋がっているということもあるのでは。そんな人と人の隠れた繋がりを表す隠喩。全然会っていなくても、遠く離れていても分かり合ってると思える関係。
[ハ]
パラダイス・グリーン Paradise Green
植物園にロケした映像作品。今はどこにあるかも分からなくなっています。
[マ]
マクマーム McMarm
架空の動物のキャラクター達が世界をかけまわるイメージで曲を書きました。クマのマクマームやコバリー、ネズミのチューリー、ウサギのルリロロンといった連中が活躍する曲集。
[ミ]
ミュージック・ライフ Music Life
イギリス・アメリカのロックを紹介した音楽情報誌。中学生の頃この洋楽専門誌に出会って、私ひとり音楽の深い森へと永遠に散策する一歩を踏み出した。
ミヤザキ・アトリエ Miyazaki Atorie
高校と大学の間をここで3年間過ごしたアトリエ時代。宮崎万平先生主宰の茨木市にあるアトリエ。私のアナザーサイドの青春。
ミルク運河 Milk Kanal
まだ何も実現出来ていない私のイメージ。私たちが大量に搾取しているミルク、また子供たちに与えられてきた母乳がいったいどれほどのものになるのか、といったことかが壮大なイメージになってます。