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浜本隆司ブログ オーロラ・ドライブ

hammererix.exblog.jp

浜本隆司のブログ

フラットランドを生きる

現代美術ー茨木2013展が今日から始まりました。
(早速、明日火曜だけお休みです。)

今年40周年の現代美術ー茨木展は毎年アンデパンダンで、
素人、玄人、老若男女、年齢は問わない展覧会です。


出品料さえ払えば、無審査で展示できるこの作品発表スタイルは
アンデパンダン形式と言います。

このアンデパンダンが流行ったのは勝手の日本の60〜70年代。

当時はあらゆる権力や既製の概念を疑ってかかっていた時代だったので、
自由意志の参加、審査無しのこのスタイルが
あらゆる価値や評価基準をもうけないとして、
まさしく「表現の自由の場」の理想的な形としてアンデパンダン
人気が集まりました。


もう50年も前から引き継がれている形式ですが、
この無審査で誰でもどんな作品でも展示できるというのは
今では、とっても現代的な展示方法とも言えます。

誰でもが自由に参加できるのは
このネット社会、そのものの在り方と同じなのではないでしょうか。

ネット上で何かを検索すれば、
その言葉にまつわる全てのものが、
何の価値基準もなしに
情報として等価なものとして、ヒット(提示)されます。

このような、全てが等価な価値を持って存在する世界のことを
『フラットランド』と呼ぶそうです。


ネット社会、ネット社会に準ずる現実世界、
現代はどんどん『フラットランド』化していってます。


YOUTUBEでもプロと素人の動画が混然として
並列されてあります。
プロとアマの垣根が判然としないのも正に現代。
表現の世界もカラオケボックス化してると
言えるでしょうね。


しかし、人間はこんなフラットな世界では
もの足らなくなっていくのも事実で、
自分はもっと評価されたいとか人気者になりたいとか
思うようになるのが普通の感覚ですよね。

また、自分の好きなものや、贔屓にしたいものは、
他とは違った特別な価値があると思いたいものです。


しかし、アンデパンダンでの発表は
無審査であるし、その形式から評価というものになじまず
評価もしてもらえないという正確もあります。

どんな駄作であっても、けなされないし、
どんなに頑張って作った労作であっても賞賛されることは無いです。
公的には無風です。

評価は見る人の心のなかで静かに静かに行われます。


しかし考えてみると、今のアートの世界が
ほとんど無批評の世界で、
自分の作ったものが人にどう受け取られているのかどうか?
とっても分りにくい時代になっています。

例えば漫才や音楽、観客を実際に前して演じる場合の世界は
ウケなければ無反応という
とても厳しい批評にさらされます。
そうゆう、厳しい批評にさらされないのが今のアートの世界ではないですかね。


(あ、これは現代美術ー茨木展を批判しているのではありません。)


アートの世界は、そうした厳しい批判がない甘〜い世界だと
捉えられているふしがあります。

自身に対しても無批判では成長もないです。

なので、作り手自身がやはり厳しく自分の作品に
向かわないといけないと思います。
いや、自身のアートに真摯に向き合っている人は
当然そうしているはずです。


無評価の世界、何をやっても許される世界に安穏として
やっていてもそれなりに楽しいでしょうけど、
成長もなく、
大きな感動というものも、生まれないと思います。



アートに、自身の「生」に、真摯に向かい合おうとする諸君!

真摯に自身に厳しく制作をしていきましょう!



(今日は着地点のおかしな内容になってしまいました。汗)


コラージュ18
コラージュの世界もまったく『フラットランド』です。

フラットランドを生きる_d0218056_2132441.jpg

by hamaremix | 2013-05-27 21:35 | アート | Comments(0)

by hamaremix