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浜本隆司ブログ オーロラ・ドライブ

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浜本隆司のブログ

エル・グレコ

エル・グレコ_d0218056_05248.jpg

エル・グレコ(1541-1614)
エル・グレコ(ギリシャ人という意味の名前)
は年代的にはダビンチやラファエロの
次の世代にあたります。

高校生や大学時代にエル・グレコの作品を
教科書や画集で目にしていた時は、
ちょっと変わった色彩の使い方と人物の独特のデフォルメで
変わった絵を描く人だなぁという印象でした。

当時のイタリアの画家などと比べて
そのデフォルメの仕方が、イラスト的というか漫画的というか
美術用語でいうと表現主義的で、
その画風から時代が特定し難いものがありました。

当時のイタリアの画家などが見れば、
とっても下手な画家に見えていたのかもしれません。



今日「エル・グレコ展」を国立国際美術館に観に行ってきました。

昼前に着いたのですが、けっこうな人が来ていて
話題になってるのでしょうかね?

会場全般にとっても、いい演出がなされていて
楽しかったし、見応えもありました。
最近は美術展の会場作りにかなり
お金も使われ
技術も演出もしっかり練られていて
心地いいです。

入り口辺りは修道院の回廊風に通路が作られていたり
絵を見る雰囲気をうまく作ってました。

(まぁ、演出にお金をかけ過ぎて、
カタログの画集の値段が上がったりするのも
考えものですが、、、)


若い頃のグレコの絵を見ると、
最高位のデッサン力で持って肖像画なんかを描いていて、
「なに、しっかり写実出来るんやん。」と
えらそうな感想をもちました。

時代を経るにつれ
絵が荒く成っていきます。

現代的には全然オーケーなんですが、
当時のことを考えると
中にはこんなに手を抜いていいのと思う絵もありました。

特に空の描写など
全くもって、感覚で描いていて
人物を効果的に見せるために、模様のような扱いです。
衣服のしわも時には、稲妻のように描かれており
空と衣服のしわで、
動的でドラマティックに人物を引き立たせ、
主題を演出していました。



カッパ横丁でみたあのプリントの絵があって
私はとってもこの絵に興味をもちました。

全体はこんなのだったのですね。

エル・グレコ_d0218056_0484136.jpg

「聖アンナのいる聖家族」

聖アンナ(左)というのは、聖マリアの母です。
右の人物は誰か忘れました。

マリアがキリストに授乳しています。
説明によると、
「母がしっかり自分の手で子供を育てることを啓蒙する意図がある」とか。

キリストがどう見ても普通の子供に見えるのがおかしいです。

が、やはりこの聖マリアのお顔はいいですね。

あっ、ほらこの雲、けったいでしょ?


展覧会場最後に
ハイライトの「無原罪のお宿り」があります。
高さ3メーター50センチあります。

スペインの聖堂から持ってきたものですが、
これを見るだけでも、行った甲斐があったというものです。

そうそう、この絵の上部にコントラバスを弾く女神(ミューズ)
の姿がありましたが、この時代にもうこんな大きな楽器が出来ていたんですねぇ。


スペイン絵画/黄金期の巨匠
大阪初上陸
2012年秋 大阪・中之島に奇跡が起こる (笑)

12月24日までです。

by hamaremix | 2012-11-17 01:18 | アート | Comments(0)

by hamaremix