海の幸
今日の午後、京都国立近代美術館で青木繁展で「海の幸」を見てきました。
数日前からチラシでやってるのを知って、無性に見たくなっていました。
それは何だろう?
この絵の持ってるむき出しの人間の表現というか、
根源的な生の表現に触れてみたかったということがあったかもしれません。
そしてまたなんでこの絵が今、私の興味をもたしたのかを、
実際にこの目で見て知りたかったということでしょうか。
大体この絵は「海の幸」を得ながらも喜びの感情もなく左前方を無表情見据えて歩む人々の姿と
ひとり画面中央にこちら側を見つめる女性のまなざしと目が合う感じが
見ていてとても不思議な気持ちになります。
そして、左右に居る人物は顔さえわからず、下描きの線のままだったりする
画面全体の未完成さ。
これは本当はエスキースなのではないか?
それでも、伝わってくる強い生の印象。
「われわれはどこからきて、どこえゆくのか」という言葉が浮かんできました。
そう、この絵はとても哲学的なものなんだと思いました。
また「海の幸」はしっかりと西洋的デッサンで人体など描かれてはいるのですが、
絵全体から受ける印象はその色彩とともにとても日本的風土を感じさせるもので、
そこにこの絵が日本人に大切にされ、愛されてる大きな要素があるとも思いました。